食材がフライパンにくっつかなくする方法と焦げ付かなくする方法

記事内に広告が含まれています。

鉄製でもテフロン加工でとくっつくし焦げる

今、ホームセンターのフライパン売り場に行くと、販売されているフライパンの8割以上は、テフロン加工のものでしょう。

そしてそれらは「くっつかない」「焦げない」というキャッチフレーズとともに売られています。しかしながら、ほとんどの人が、食材を焦がしてしまったり、くっつかさせてしまったりという経験があるのではないでしょうか。

鉄製のフライパンがくっついてしまうのはわからなくないでもありませんが、なぜくっつかないし焦げないはずのテフロンまでくっついたり焦げ付いてしまうのでしょうか?

テフロン加工のフライパンももともとは鉄製のフライパンです。そこにテフロンを付着させることによって、くっつかない状態を実現しているのですが、永遠にテフロンがくっついていることはありません。フライパンに付着させていたテフロンもどんどんと剥げていってしまい、次第に鉄製のフライパンの状態になっていきます。

つまり、テフロンのフライパンも結局は鉄製フライパンと同じなのです。

「テフロン 売り場」の画像検索結果

ホームセンターの調理具売り場の殆どがテフロン加工のフライパン

鉄製フライパンでもくっつかないし焦げない方法がある

多くの人が誤解しているのですが、テフロンだとくっつかず焦げなくて、鉄製フライパンだと、くっついてしまうし焦げてしまう、というわけではないのです。

事実、中華料理のコックさんでテフロン加工のフライパンを使っている人はまずいません。つまり中華料理のコックさんは皆、鉄製のフライパンを使っています。

それでいて、中華料理のコックさんで料理をフライパンにくっつけてしまったり、焦げ付かせてしまったりなんてことはありません。

中華料理のコックさんが鉄製のフライパンでも食材をくっつかなせなかったり焦げさせなかったりするのは、どうやっているのでしょうか?

「中華料理 コック」の画像検索結果

大切なのは油ではなく温度にあった

中華料理のコックさんが食材を焦げ付かせたりくっつかせないのは、油をたくさん使うせいだと説明する人がいます。

それは半分正解ですが、半分不正解です。

中華料理のコックさんが油を使っているそもそもの理由は、油によって温度調整をしている、というのがより正確な理由でしょう。

つまり、油をつかって食材がくっつかない温度、焦げない温度の調整をしているのです。

「中華料理 回し油」の画像検索結果

油で温度調整をしていた

食材がくっつく温度である80度を避ける

食材がフライパンにくっついてしまうのは、科学的に見ると、80度になったときに吸着水があるとタンパク質と金属が結合します。

一般的にフライパンでの調理の際は、高温で料理をすることがほとんどです。つまり低温から徐々に調理すると、フライパンにこびりついてしまう温度である80度を通過してしまうことになります。

よって、食材がこびりつかないようにするためには、まず、調理する前にフライパンの温度を80度以上に温めなければなりません。

また80度を超える温度になったフライパンも、野菜などを投入すると、再び温度が下がり、80度より低い温度になってしまいます。さらに野菜などから水分がでることによって、それが吸着水となり、なおさらくっつきやすい状態になります。

そのために、食材を投入し、フライパンの温度が下がり始めそうなときは、食材を撹拌することで、フライパンの表面温度が下がることを防止します。

中華料理のコックさんが、盛んにフライパンを振って食材をかき回すのは、フライパンの表面温度を下げないことで、食材がフライパンにこびりつかせないという働きがあったのです。

焼きそばや餃子を作る際に、「蒸す」ために大量の水分を投入する際、焼きそばや餃子の皮が鉄板に焦げ付かないようにするためには、水ではなくお湯をいれることで、くっつく温度の80度を避けることができます。

「フライパン くっつく」の画像検索結果

80度で食材はフライパンにくっつく

焦げる温度200度を超えない工夫

中華料理のコックさんは、調理前に鉄板を高温に温めます。これは食材を美味しく温めたり、炒めたりするのに必要なプロセスであると同時に、また前述したように、食材がフライパンにくっつかないようにする役目もします。

しかしフライパンの温度が200度を超えるようになると、こんどは食材を焦がしてしまうことになります。

よって、熱しすぎたフライパンの温度を下げるために、中華料理のコックさんたちは、「回し油」といって、フライパンに油を回すように入れることで、フライパンの表面温度を120度から180度になるように調整します。

この回し油は温度調整だけでなく、これもまた食材がフライパンにくっつかないための効果もあります。

というのも、フライパンの温度が上がった際にフライパンの表面に覆われている酸化皮膜が破壊されます。そこに回し油で油を染み込ませることによって、食材がフライパンにこびりつくのを防ぐことができるようになるのです。

「フライパン 焦げる」の画像検索結果

冷蔵庫から取り出したばかりの食材はくっつく

これで食材がフライパンにくっついたり、焦げたりする原理を理解できたと思います。フライパンに食材がくっつかないようにするためには、80度の温度をできるだけ避けるようにすればいいのです。

これにそって考えれば、冷蔵庫から取り出したばかりの冷たい食材は、くっつきやすくなるということが理解できるかと思います。

食材をフライパンで温めるときは、なるべく常温に戻すなどすることで、フライパンにくっつきにくく調理することができるようになります。

とくにオムレツなどを作る際に、卵がフライパンにくっついてしまって困る人は、冷蔵庫から取り出したばかりの卵を使わずに、あるていど常温に戻してから使うようにするだけでも、こびりつく頻度を減らすことができるでしょう。

「卵焼き 焦げる」の画像検索結果

冷えた卵を使うと焦げやすい

まとめ

鉄製のフライパンをうまく使いこなせば、テフロン加工のフライパン以上に焦げ付かず、こびりつかないで料理することができるようになります。

そのポイントは温度調整、80度と200度にあります。油を使うのは、その温度をうまくコントロールするためです。

この原理原則を頭に入れて料理することで、あなたの料理の腕は格段に上がることでしょう。

コメント