料理酒の効果
料理酒を使うことで、一体どのような効果があるのでしょうか?
料理酒というのは、名前から分かるようにお酒の代用品です。では、料理にお酒を入れるとどのような効果があるのでしょうか?
料理にお酒を入れる効果は次の3つです。
- 食品の臭みを消す
- 食材を柔らかくする
- 甘みが加わり味がマイルドになる
1の臭みを消すに関しては、特に肉料理で、分厚いステーキ肉なんかを焼くときなどは、臭みを消すためにワインを豪快に掛けたりするのを見たことあるかもしれませんが、魚料理でも、魚の生臭さを消すのによく使われます。
2の食材を柔らかくするという効果に関してですが、これはお酒に含まれる酵素が、肉の繊維質を溶かす効果があるために、食材が柔らかくなります。しかし、柔らかくなるにはそれなりの時間がかかるために、柔らかくするためにお酒を使うのであれば、早めにお酒を塗らなければなりません。
3の甘みが加わり味がマイルドになるということに関しては、これを旨味が増す、風味が増すとも表現する人もいます。これはお酒の糖分が作用するもので、日本料理だけでなく、中華料理でも紹興酒を調理中の料理にふりかけたりもします。
上記のような効果を出すために、料理にお酒をふりかけます。しかし、そもそも料理酒はお酒とはちょっと違うのです。
料理酒は日本酒の劣化版
お酒を料理に使うと上記のような効果があるというのはわかったと思います。
しかし、それらはあくまでも、お酒を使った場合で、料理酒を使うと、その効果は半減すると言われています。
なぜか?それは実は料理酒は、お酒、日本酒や清酒の劣化版だからなのです。
なぜ料理酒は清酒の劣化版なのか?
論より証拠、料理酒と日本酒を飲み比べてみてください。殆どの場合、料理酒が美味しいと思うことはないと思います。というか、料理酒は飲めるような味ではないことがほとんどでしょう。
というのもわざと料理酒は飲用不可な味にしているためなのです。なぜわざわざお酒をまずくしてしまうのでしょうか?
本当はお酒を使うのが理想なのですが、お酒のまま販売すると、日本の法律では、酒税法においてお酒として扱われてしまいます。
そうすると税金が上乗せされて、割高になってしまうのです。
料理で使うのは、あくまでも調味料としてなので、より安価で販売するために、お酒に数パーセントの塩分を加える事によって、飲みにくい味、不可飲処置をしています。
それによって酒税法適用外になるので、よけいな税金がかからない分、安く販売することを可能にしています。しかし、そのために、本来の料理における調味料の酒としての味が、犠牲にされているのも事実なのです。
しかし、それを理解したうえで工夫して使えば、料理酒といえども料理をおいしく作ることができます。
料理酒の効果を引き出す使い方
料理において、お酒を使えという指示がある場合は、日本酒や清酒のことを指します。
にも関わらず、料理酒を使うとどのようなことが起こるのでしょうか?
料理酒には本来、お酒に入っていない成分である「塩分」が含まれています。
つまり、料理酒を使うと、日本酒や清酒を使った時よりも、塩っ辛くなってしまうのです。
よって、料理酒を使う際は、予め塩っ辛くなることを計算した上で、他のところで塩分を控えめにするなどすれば、レシピの指示どおりの味に仕上がります。
確かに料理酒は日本酒の劣化版ではありますが、しかし料理酒は、より調味料として適するような旨味成分が加えられていることも多いので、唯一の欠点である、塩分が多い、という点を注意すれば、料理酒でも充分料理をおいしくすることができます。
また、本来の料理酒の欠点ともいうべき点を改めた、塩分不使用の料理酒もあります。日本酒や清酒は高いから使いたくないのであれば、そうした塩分を使っていない料理酒を選ぶのも一つの方法です。
酒と料理酒とみりんの関係
つまり料理酒は酒の代用というよりも、酒が料理酒の代用となるわけですが、その違いは、料理酒には本来必要のない添加物、塩分が入っているのです。
酒に塩分が入ったものが料理酒となるわけですが、みりんの場合は塩分でなく砂糖が入っているので、料理酒とは対照的にとても甘いのが特徴です。
つまり酒を中心に、塩を加えると料理酒、砂糖を加えるとみりんとなるわけです。
アルコール禁止の妊婦や子供でも大丈夫?
料理にお酒をかけるようにレシピに指示があっても、子供が食べるからとか、妊婦だからとかで、お酒を入れないほうがいいのでは?と思う人もいるようですが、結論から言うと、お酒の中のアルコール分は、調理中になくなってしまうので大丈夫ですし、また、アルコール分がなくなるようにお酒を使うべきなのです。
つまり、お酒は料理の一番はじめの段階で使い、その量も使い過ぎない程度に入れるのが正解です。
料理酒を使うタイミング
料理のさしすせそをご存知でしょうか。
ウィキペディアに次のように紹介されています。
料理の味付けは、基本的に「さしすせそ」の順で用いる
これらは次のような考え方に基づきます。まず甘味はなかなか浸透しにくいので、砂糖を入れるのは早い方がよい。特に塩や醤油を先に入れてしまうと食材に甘味が付きにくくなる。塩(塩水)は浸透圧が高く食材から水分を呼び出すため、煮汁の味を決める初期に入れる。砂糖の前に入れると砂糖の味が食材に入らなくなるため、砂糖より後に入れる。酢は早く入れ過ぎると酸味がとんでしまうので、調理進行を見計らって入れる。塩以上に食材に味が染みるのを妨害するため、塩より後に入れる。醤油、味噌は風味を楽しむものなので、仕上がりに入れる事が望ましい。
なお、アルコールによる臭み消しと食材の味付けを促進させる作用から、調理酒・本みりんなどの酒類を入れる場合は砂糖よりも早く最初に入れ、みりん風調味料は味噌より遅く最後に入れる。
とあるように、料理酒は調理の最初の段階で入れるのが正解です。それにより当然、アルコール分も調理の過程で蒸発するので、子どもや妊婦であっても、調理に酒を使っても問題ないというわけです。
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