上記の漫画は、熱中症で脳みそがゆで卵になるという、デマのもととなったものと言われています。
夏の暑さが厳しい中、熱中症による健康被害が深刻な問題となっています。
特に、「熱中症で脳みそが茹で上がる」というゆで卵理論が話題になっていますが、この衝撃的な表現は本当に科学的根拠に基づいているのでしょうか?
この記事では、熱中症が人体、特に脳に与える影響について、専門家の見解をもとに解説します
熱中症で脳みそがゆで卵状態に?
暑い夏に、一度聴いたら誰もが恐怖でエアコンをつけたくなるのが、熱中症におけるゆで卵理論です。
熱中症におけるゆで卵理論とは次の通り
生卵がゆであがって、ゆで卵になってしまったら、もう二度と、生卵に戻ることがないのと同じように、熱中症は脳みそをゆであがらせて、ゆで卵状態にしてしまうため、いちど熱中症になると、一生後遺症で苦しむことになる
というものです。
しかしこれは本当なのでしょうか?
タンパク質の変質は60度から
化学的な観点から考えると、たんぱく質の変質は60度から始まります。
たとえ猛暑と言えども、気温が45度を超えることはありません。まして60度になることなんて、絶対にありません。
そうなると、猛暑で脳みそがゆで卵状態になるということはありえないのでしょうか?
ヘルメットなどで気温以上に温度が上がる!
たとえ気温が40度であっても、太陽の熱を浴び続けていると、気温以上に表面温度が上がることがあります。
特にヘルメットなどをかぶっていれば、太陽光線の熱エネルギーをヘルメットが吸収し続け、温度がどんどん上昇していきます。
実際に熱中症で緊急搬送されてくる患者で、重症の場合は臓器がまさに、ゆで卵の白身のように固まって機能が低下している人もいるといいます。(吉田院長談)
40度を超えただけでも危険だった!
ゆで卵状態になるのは60度ですが、実は40度を超えただけでも、人間の臓器は不可逆的な障害を受けるそうです。
不可逆的障害とは、つまり、ゆで卵状態になってしまうのと同じことで、元に戻ることができないようなダメージを受けるということです。
それによって、つまり重度の熱中症によって
- 小脳の異常でめまいやうまく歩けなくなる
- パーキンソン症状で手足が震えたり動かなくなる
- 記憶量の低下
- 肝機能障害
といった後遺症に一生苦しむことになる人もいるそうです。
まとめ
脳みそがゆで卵状態になるなんてことは化学的に考えれば、ありえないことだから、そんな過剰な心配をする必要がないと思うかもしれません。
しかし現実は、40度を超えただけでも人間の臓器は取り返しのつかないダメージを受けるのです。
猛暑への対応は抜かりなくやりましょう!
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