冷凍ご飯も上手に解凍すれば炊きたての味が蘇る!
どうせ冷凍ご飯だから所詮こんなもんだと、解凍したまずい冷凍ご飯を食べていませんか?
実はちょっとした工夫やちょっとした手間を加えることで、冷凍ご飯でも炊きたてのホカホカの美味しいご飯にすることができるのです。
大抵の人は、炊飯器で炊いたご飯が余ってしまったとき、そのまま炊飯器に入れたまま保存しておくことでしょう。
しかしやり方次第では、炊飯器でご飯を保管するよりも、一旦冷凍してしまったほうが、次に食べるときに、炊きたてに限りなく近い味で食べることができるのです。
ここでは冷凍したご飯を、電子レンジを利用して極限まで美味しく解凍する方法を解説します。
冷凍ご飯をホカホカに温める科学
ご飯が最も美味しい状態とは、デンプンの状態と水分にある。ご飯がホカホカで美味しいと感じるときとは科学的に見ると、どのような状態なのでしょうか。
それはデンプンがたっぷり水分を含んでいる状態で、お米のデンプンが加熱によってα化した状態です。
ご飯の表面がつやつやして湯気がたくさん出てアツアツの状態。この時が一番デンプンが生き生きしている。ところがこのデンプンは0から60度くらいで水分子が表面に出てデンプンの老化がすすんでしまいます。特に0度から3度あたりではデンプンのβ化がすすみ、そうなるとお米は粘りもなくなり、ボソボソしてしまうのです。
つまり、ご飯をホカホカで美味しく食べるには、保存する際に0から60度の状態になることを極力避ければいいのです。
冷凍状態から温める際に、0度から60度の温度を避けることはできませんが、この温度の状態の時間を極力短くすることによって、炊きたての美味しさを損なうことなく再現することができるのです。
合言葉は「急速冷凍・急速解凍」です。
炊飯器で保存するより即冷凍せよ!
先にも述べたように、お米が美味しい状態とは水分が十分に含まれている状態で60度以上に保たれている状態です。
しかしながら、温度が高ければ、それだけ水分はどんどん蒸発していってしまいます。
つまり炊飯器の保温でご飯を保存していると、どんどんお米から水分が抜けていってしまうことは想像に難くないでしょう。
よってご飯を炊いて、あまってしまった場合は、そのまま炊飯器で保温で保存するのではなく、即冷凍庫に放り込んでしまいましょう。
美味しく温めるには冷凍の仕方で80%が決まる!
どんなにうまくご飯を解凍して温めても、そもそも冷凍するときの状態が悪いと、美味しさは半減してしまいます。
すでに間違った方法で冷凍してしまったのであればもう手遅れですが、次回のために美味しく解凍することのできる冷凍の仕方を覚えておきましょう。
電子レンジで温める際にいちばん大切なことは、お米一粒一粒が均一に一気に温められるようにすることです。
言い換えれば、温めムラができないような状態で冷凍をしなければなりません。そのためにどうやって冷凍すればいいのでしょうか?
冷凍する際は、サランラップにくるんだり、あるいは容器にご飯を入れてそのまま冷凍することでしょう。
その際に、決してご飯を押しつぶしてはだめなのです。ご飯の米粒と米粒の間に沢山空気、間が開いている状態が理想です。
またご飯の塊の形は出来る限り球型に近いかたちで冷凍させることで、電子レンジでの解凍の際に、ご飯一粒一粒がより均一に暖められることができます。
理想の冷凍状態を作るには、専用のご飯保存容器を利用するのがおすすめです。
このご飯専用の保存容器は、形状が丸く、またご飯を押しつぶすことなく詰めることができるので、電子レンジで温める際に、お米一粒一粒をきっちりと温めることができるのです。分量もちょうど一合分、茶碗一杯分なので、使いやすいですね。
冷凍しても安心するな!冷蔵庫の中で劣化している
冷凍保存ということで勘違いする人が多いのですが、冷凍すれば長持ちすると考える人も多いでしょう。
それは半分当たっていて、半分外れています。
どういうことかといえば、業務用の冷凍庫のようなもので、完璧な冷凍状態を保つことができていれば、デンプンの劣化が進むことがないために、長期保存が可能になります。
しかしながら、家庭用冷蔵庫の場合、その冷凍温度は低い上に、さらに冷凍庫の扉を頻繁に開け閉めすることによって、そのたびにわずかながらも解凍冷凍が細かく繰り返され、どんどんと劣化していってしまいます。
よって冷凍庫にご飯を入れるときは、なるべく冷凍庫の奥の方に入れて、極力温度変化をあたえないよう、扉の開け閉めは素早くしましょう。
そして、冷凍保存をしたとしても、なるべく早く食べるように心がけましょう。
電子レンジのど真ん中に置く
電子レンジで解凍するときは置く場所も大切です。
電子レンジが食品を温める原理は、分子が電子レンジ内を電子レンジの基本的な原理は、電磁波によって水の分子を振動させて、その摩擦熱で水分子を熱くするというものです。
この分子は分子を発生させる装置から四方八方に発せられるのですが、電子レンジではこの分子が電子レンジの中央に集約するように計算されて設置されています。
つまり、電子レンジでの温めにおいて、最大限にその効力を発揮させるには、常に食品をど真ん中に置くようにすべきなのです。
解凍と温めは別!二段階あたため
電子レンジはマイクロ波が水分を発熱させて加熱するという仕組みになっています。
つまり、食品を温めるには水分が必要なのです。一説によれば水は氷に比べて8,000倍も温まりやすいと言われています。
つまり冷凍は液体ではなく固体のために、電子レンジでは非常に温めにくい状態です。
よって、冷凍のものを電子レンジで温めたときに、表面は温まっているのに、中が凍っていた、なんてことがよく起こります。
これはたとえ、電子レンジに解凍モードが付いていたとしても、同じことです。
つまり冷凍ご飯の解凍・あたためは、一度だけではなかなかうまくいかないと思ったほうがいいでしょう。
しかしながら、逆に一度目の解凍・あたためが終了した時に、そのタイミングを利用して、中がまだ半解凍状態になっていたりした場合は、そのご飯のかたまりをほぐしたり、崩したりします。
こうすることで、より分子の摩擦をご飯の一粒一粒に行き渡らせ、全体をより均一に暖めることが可能になるのです。
まとめ
多くの人は、ご飯を炊飯器で炊いて残ってしまったあとに、そのまま炊飯器にいれたままで保存していたのではないでしょうか。
炊飯器での保温の機能を高めた炊飯器も開発されていますが、それでも上手に冷凍して解凍するコツさえ覚えれば、圧倒的に冷凍ご飯にしたほうが、食べる時に美味しく温めることができます。
ぜひこの記事を参考に、ご飯の冷凍、解凍のコツを掴んで、おいしいごはんライフを送ってください。
コメント